小学校受験が近づくと、「まだ描けないものがある」「もっと練習させたほうがいいのでは?」と不安になるご家庭も多いと思います。
しかし、受験直前期に大切なのは、新しいことを次々に覚えることではありません。
これまで練習してきたことをもう一度確認し、必要なときに自分の記憶から取り出して描ける状態にすることです。
はっちでは、この時期を「記憶のおさらい」の期間と考えています。
そのために取り入れているのが「なぞり絵」です。
ただ線をなぞって上手に描くための練習ではありません。
見る、なぞる、覚える、そして自分で描く。
この繰り返しによって、これまで身につけてきた「描き方」を、本番で使える力へと仕上げていきます。
受験直前だからこそ、焦って増やすのではなく、今まで積み重ねてきたものを確実なものにしていきましょう。

第1章 受験直前は「新しく覚える」より「記憶のおさらい」
小学校受験の絵画では、試験当日にどんな課題が出るかはわかりません。
だからといって、あらゆる絵を直前になって覚えようとする必要はありません。
大切なのは、これまで学んできた人物や自然、身近なものなどの描き方を、必要なときに自分の記憶から取り出せるようにしておくことです。
たとえば「公園で遊んでいるところを描きましょう」と言われたとします。
人物だけではなく、すべり台、ブランコ、木、花、空など、これまで覚えたさまざまなものを組み合わせる必要があります。
そこで「あれ?ブランコってどう描くんだっけ?」と止まってしまわないために行うのが、記憶のおさらいです。
受験直前は、知識を増やす時期から、これまで身につけたものを使える状態にする時期へ。
たくさん描かせることよりも、一つひとつの「描ける」を確認していく。
それが、はっちが大切にしている受験絵画の最後の仕上げです。
第2章 最後の仕上げに「なぞり絵」をする理由
はっちでは、受験直前の総仕上げとして「なぞり絵」を行います。
なぞり絵というと、線の上をなぞるだけの簡単な練習と思われるかもしれません。
しかし目的は、きれいになぞることではありません。
お手本をよく見て、形を確認しながら手を動かすことで、「見る」と「描く」をもう一度つなげていくための練習です。
そして、なぞったら終わりではありません。
次に、紙を裏返して、今なぞったものを自分で描いてみます。
「あれ?腕はどこから出ていたかな?」
「足はどんな形だったかな?」
思い出せなくても大丈夫です。
私は子どもたちに、
「わからなかったら、紙をひっくり返して見ていいよ」
と伝えています。
確認したら、また裏返して描く。わからなければ、また見る。
見る→描く→確認する→もう一度描く。
何度も繰り返すうちに、紙をひっくり返す回数が少しずつ減っていきます。
「なぞれる」から「自分で描ける」へ。
これが、はっちのなぞり絵の目的です。
第3章 子供の「描ける記憶」を総点検
受験絵画では、人物だけ描ければよいわけではありません。
出題されたテーマに合わせて、これまで自分が見たり、経験したり、覚えたりしたものを組み合わせて表現する力が必要です。
そこで、はっちでは直前期のおさらいを10のテーマに分けています。
①基礎編、②景色、③昆虫、④季節の行事、⑤後ろ向きで見るもの、⑥叶えたい夢、⑦模様と洋服、⑧道具と乗り物、⑨公園や幼稚園にあるもの、⑩野菜や食べ物。
身近なものでも、いざ「何も見ないで描いてみよう」と言われると、意外と手が止まるものです。
だからこそ、一度なぞって形を確認し、紙を裏返して自分で描いてみます。
この10テーマは、答えを丸暗記するためのものではありません。
自分の中にある「絵の引き出し」を整理するためのもの。
本番で初めて見る課題が出ても、その引き出しの中から必要なものを取り出し、組み合わせて表現できるようにしていきます。
第4章 本番で必要なのは「思い出して組み合わせる力」
小学校受験の絵画で大切なのは、お手本と同じ絵を描くことではありません。
「家族で楽しかったこと」「公園で遊んだこと」「大きくなったらやってみたいこと」など、自分の経験や考えを絵で表現する課題もあります。
そこで必要になるのが、記憶の中にあるものを取り出し、組み合わせる力です。
たとえば公園の絵なら、人物+遊具+木+花+空。
季節の行事な
人物+洋服+季節を表すもの+そのとき使う道具。
一つひとつの描き方が記憶に入っていれば、テーマに合わせて組み合わせることができます。
そのため、なぞり絵では「覚えたかな?」で終わりません。
紙を裏返して、自分の力で描いてみる。
わからなければ、また見ればいい。
そして、もう一度描いてみる。
この小さな繰り返しによって、「見れば描ける」から「自分で思い出して描ける」へと変えていきます。
直前期だからこそ必要なのは、量ではなく、この「取り出す練習」なのです。
第5章 無理なく、合格に必要な力から逆算したカリキュラム
受験が近づくほど、「もっとやらせなければ」と焦ってしまうものです。
しかし、子どもに大きな負担をかけ、新しいことを次々に詰め込むことが、必ずしも最後の仕上げになるとは考えていません。
はっちには、子どもが無理なく取り組みながら、受験本番で必要となる力を身につけていくカリキュラムがあります。
基礎から始め、人物、景色、季節、生活、経験へ。
一つひとつ「描けるもの」を増やしながら、最後は10テーマのなぞり絵で記憶を総点検します。
だから直前になって、ゼロから覚え直す必要はありません。
これまで積み重ねてきたものを確認し、「自分はこれも描ける」「これも覚えている」と一つずつ取り戻していきます。
難しいことをたくさんさせるのではなく、合格に必要な力から逆算して、必要な学びを積み重ねていく。
そして本番が近づいたら、「増やす」から「整える」へ。
それが、はっちの受験絵画です。
まとめ|最後に必要なのは「もう一度、思い出すこと」
小学校受験直前になると、「まだ何かやらなければ」と思ってしまいがちです。
でも、ここまで頑張ってきた子どもたちの中には、受験絵画としてすでにたくさんの「描ける」が蓄積されています。
最後に必要なのは、新しいものを詰め込むことではなく、その記憶をもう一度開いてあげること。
なぞってみる。
紙を裏返して描いてみる。
わからなかったら、またひっくり返して見ればいい。
そして、もう一度描いてみる。
そうして一つずつ、
「見れば描ける」から「自分で思い出して描ける」へ。
受験当日、お手本がなくても、自分の中にあるたくさんの「描ける」を取り出して、自分らしい一枚を完成させる。
小学校受験直前の最後の仕上げは、記憶のおさらいです。
はっちは、最後まで無理なく、一人ひとりの「描ける」を本番につなげていきます。
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